一般社団法人キャンサーフィットネス

リンパ浮腫の患者が、リンパ浮腫になっても安心して暮らせるためにはどうしたらよいのかと長年考えて参りました。

〜リンパ浮腫とはリンパ管やリンパ節の圧迫、狭窄、閉塞などによって、リンパ流の阻害と減少のために生じた浮腫です。先天性のものを含めた原因不明の原発性(一次性)と、発症原因が明らかな続発性(二次性)に分けられ、そのどちらもいったん発症すれば非常に難治性で治療に難渋します。続発性リンパ浮腫は、全リンパ浮腫の患者さんの約80~90%を占めています。乳がんや子宮がん・卵巣がんなど婦人科系のがんの術後に発症することが多いため、患者の90%以上は女性という特徴があります
わが国における術後に発症するリンパ浮腫は、乳がん術後(腋窩リンパ節郭清あり)では約50%、婦人科がん(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん)術後(後腹膜リンパ節郭清あり)では約30%と推測されています。〜
(慶應義塾大学 KOMPAS リンパ浮腫のリハビリテーションより引用 http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000161.html

私自身も、乳がんの手術でリンパ節郭清を施行後リンパ浮腫が発症し8年経過しましたが、その間、リンパ浮腫の患者会や、運動教室、セミナーなどを通して、たくさんの方にお目にかかり、様々な悩みをお聞きしました。
適切な治療を受けられず、どうしていいかわからないという方や、また、誤った情報に不安を感じられている方も多く、リンパ浮腫は医療者側の認識不足も否めません。適切な治療がなされず放置されると徐々に進行することが多く、浮腫の悪化で仕事や家事に支障が出たり、太くなってしまった手足を隠して生活しなければならないといった苦痛など、QOLを低下させる切実な問題です。

しかし、リンパ浮腫の病態を十分に理解して発症早期から適切な生活指導・治療・セルフケアを行えば、それ以上の悪化を防止することができ、たとえ進行例であっても浮腫を改善させることは可能であることが研究でもわかっています。最近ではセミナーなども開催され、メディアで取り上げられ、リンパ浮腫治療のための患者向けの解説書もいくつか出版されるようになっていますが、我が国で現在、リンパ浮腫に対して積極的に治療を行っている医療機関は全国でもごくわずかです。医療機関で治療を行うことは重要でありますが、治療をしても、その後、自分で正しく継続的にセルフケアができなければ、治療の効果も軽減します。そこで、医療者向けの「新リンパ浮腫研修」(リンパ浮腫研修委員会)を患者が学ぶことはできないだろうかと考えました。医療者と同様の知識を得ることにより、日々直面する様々な心配を解決でき、安心してセルフケアを行うことができるのではと、専門の先生方に相談をして参りました。その結果、この度、リンパ浮腫研修委員会代表であり、キャンサーフィッットネスの顧問である慶應義塾大学医学部リハビリテーション教室准教授の辻哲也先生に監修いただき、専門の先生方が講師を引き受けて下さることになり実現できることになりました。

リンパ浮腫患者スクールは、リンパ浮腫についての基本的な知識とセルフケアの技術を習得することで、リンパ浮腫の悪化を防ぎかつ改善させ、患者自身の生活の質を高めることを目的とします。

実際に、診察を受けているけれども、どのように日常のケアや生活をしたらよいかわからない患者さん、リンパ浮腫を発症していないけれどもリスクのある患者さん、リンパ浮腫の診察を受けられる環境にない患者さんに向けて,2020年4月より1年間、全20講座を開催致します。
何かとストレスになりやすいリンパ浮腫のケアですが、前向きに取り組んでいけるよう心のケアの講座も行います。
研究が足りない分野です。学びを積極的に手に入れることで、リンパ浮腫の症状に対応できるようになります。
治療をした後のセルフケアがなければ、効果も半減します。
知識は身を助け、一生の宝物になることでしょう。
皆様のご参加をお待ちしております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

一般社団法人キャンサーフィットネス 代表理事 広瀬真奈美

2020年度 ヘルスケアアカデミー リンパ浮腫患者スクール

2020年4月〜2021年3月全20講座(毎月1回開催)
リンパ浮腫は、根治的治療がなく、悪化させないためには、毎日のセルフケアを継続していくことがとても重要と言われています。
安心してリンパ浮腫と向き合い、一生をよりよく暮らしていけるようになりたいと願う患者さんのために、
自分でセルフケアができるように、正しい知識や治療方法から、心のケアまで、リンパ浮腫に関わる全て学べる20講座となっております。
知識は、大きな支えになります。しっかり学び、不安を笑顔に変えて暮らして行きましょう。

*会場:東京都新宿区新宿3丁目駅徒歩1分 アデランスビル会議室、その他都内会場
*受講資格:リンパ浮腫の患者・リンパ浮腫になる可能性のある患者・そのご家族
*全講座を終了された方には、修了証を授与いたします。
*全講座受講希望される方は、一括払い10%の割引あります。

主催:一般社団法人キャンサーフィットネス
後援:日本リンパ浮腫学会・日本リンパ浮腫治療学会(予定)

監修:慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室 辻哲也先生


リンパ浮腫の基礎を理解しましょう
 
Step1 ❶ リンパ浮腫の基礎を学び、その成因について学ぶ

日時 講習費 講座番号 各講義時間(分) 講義タイトル 講座の目的 講師(略敬称)
第1回目 4月18日(土)
13:00-16:00
5000円 1 20 リンパ浮腫患者スクールについて リンパ浮腫患者スクールの目標と、学習目標と効果を理解する 辻 哲也 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室 准教授
2 50 リンパ浮腫総論 リンパ浮腫の疫学、リンパ浮腫診療の歴史、現在のリンパ浮腫診療の実状と課題を理解する
3 50 診療の流れ リンパ浮腫診療の流れを理解する。
(代表的な合併症とその対応を含める)
クリニカルパス(治療計画書)について理解する
*講義後グループワーク
第2回目 5月23日(土)
13:00-16:00
5000円 4 120 リンパ浮腫の基礎知識 解剖と生理 リンパ浮腫の成因と治療の原則を理解するために、リンパ管系の解剖学的構造を理解する。浮腫に関係する脈管系や循環器系の生理、病理、病態を理解する 保田知生 がん研究会有明病院医療安全管理部 部長
*講義後グループワーク

 
 Step1 ❷ リンパ浮腫に関わる疾患と各科の特徴を把握し、治療方法を理解する

日時 講習費 講座番号 各講義時間(分) 講義タイトル 講座の目的 講師(略敬称)
第3回目 6月13日(土)
10:00-13:00
5000円 5 60 領域別の基礎知識
その1 乳癌
乳癌の基礎知識(疫学、疾病の特徴、標準的治療、リンパ浮腫に関する留意点)を理解する 小島康幸 聖マリアンナ医科大学病院
乳腺・内分泌外科 副部長
6 60 領域別の基礎知識
その2 婦人科癌
婦人科癌の基礎知識(疫学、疾病の特徴、標準的治療、リンパ浮腫に関する留意点)を理解する 宇津木久仁子 がん研有明病院 婦人科 副部長
リンパ浮腫治療室 室長
*講義後グループワーク
第4回目 7月4日(土)
13:00-16:00
5500円 7 60 領域別の基礎知識
その4 外科的治療
外科治療の種類、適応とその限界を理解する 佐久間恒 横浜市民病院 形成外科部長
8 80 リンパ浮腫の合併症 リンパ浮腫患者の皮膚合併症の診断と治療(蜂窩織炎、リンパ小胞・リンパ漏、Stewart-Treves症候群、関連領域として、うっ滞性皮膚炎・脂肪織炎、皮膚潰瘍)アピアランスケアについて 清原祥夫 静岡県立静岡がんセンター皮膚科 部長
*講義後グループワーク


疾患の特徴を理解し、患者自身が状態を理解し、適切なセルフケアを行うのに必要な知識を習得しましょう

日時 講習費 講座番号 各講義時間(分) 講義タイトル 講座の目的 講師(略敬称)
第5回目 8月22日(土)
13:00-16:00
5000円 9 120 リンパ浮腫 セルフケア指導 リンパ浮腫治療&複合的治療の理解を深め、日々のセルフケアができるようにする 増島麻里子 千葉大学大学院看護学研究科
看護学部 准教授
*講義後グループワーク
第6回目 9月12日(土)
13:00-17:00
8500円 10 30 複合的治療の治療展開 複合的治療の概念と個々の選択肢の方法を理解し、長期管理までの治療展開を理解する 山本優一 北福島医療センター 理学療法士 科長
11 120 上肢下肢の圧迫療法(弾性着衣、弾性包帯) MLB・圧迫についてよくある問題とその対応について理解する
60 デモ 弾性着衣の着脱 弾性スリーブ、弾性包帯の巻き方の実演練習
第7回目 10月10日(土)
13:00-17:00
7500円 12 120 上肢下肢の用手的リンパドレナージ MLBについて、よくある問題とその対応について理解する 熊谷靖代 野村訪問看護ステーション
看護師リンパ浮腫療法士
60 デモ リンパドレナージ リンパドレナージの実演練習
*講義後グループワーク
第8回目 11月14日(土)
13:00-16:00
7500円 13 120 運動療法 上肢・下肢 リンパ浮腫の運動療法の目的と概要を学び、セルフケアとしての運動療法を理解する 高倉保幸 埼玉医科大学保健医療学部
学科長・教授
60 圧迫下での運動療法実践 リンパ浮腫の運動療法を実践練習
第9回目 12月5日(土)
13:00-16:00
7500円 14 60 体重管理 リンパ浮腫の体重管理について学ぶ 松元紀子 聖路加国際病院 栄養科
がん病態栄養専門管理栄養士
15 60 緩和主体時期における浮腫のマネジメントとそのケア 緩和ケア主体の時期における浮腫のマネジメントと浮腫のケアについて理解する 田尻寿子 静岡県立静岡がんセンター
作業療法士
16 60 リンパ浮腫における代表的なエビデンスと推奨される治療を理解する


セルフケア行動を継続する方法を学びましょう

日時 講習費 講座番号 各講義時間(分) 講義タイトル 講座の目的 講師(略敬称)
第10回目 1月9日(土) 7500円 17 60 リンパ浮腫の患者心理を学ぶ リンパ浮腫患者の心理面の研究結果を学び、自分の現在の心の状態を知る 土屋雅子 国立がん研究センター
がん対策情報センター
がんサバイバーシップ支援部
18 120 リンパ浮腫の患者の心のケア リンパ浮腫によおる心の悩みやストレスとの向き合い方、心の健康管理を学ぶ 保坂 隆 保坂サイコオンコロジー・クリニック院長
第11回目 2月20日(土) 7500円 19 180 【セルフケア行動を行うための生活習慣プログラム1】 リンパ浮腫のセルフケアを継続していくために、これまでの生活習慣の振り返り、現在の生活習慣・健康状態、それに対する意識の把握し、生活習慣改善について理解し、行動目標を設定し、行動の妨げになることに対しての対策を学ぶ 小熊裕子 慶應義塾大学大学院
健康マネジメント研究科
・スポーツ医学研究センター准教授
第12回目 3月13日(土) 7500円 20 180 【セルフケア行動を行うための生活習慣プログラム2】 タイムマネージメント、行動を起こすことにようる利益の確認、褒美設定、健康行動を維持する方法を学び、セルフケアの目標を考え、日々のセルフケアを継続するための方法を学ぶ 小熊裕子 慶應義塾大学大学院
健康マネジメント研究科
・スポーツ医学研究センター准教授